2003年出産日記 美々杏編 「アタチの目が開きました。」

 

 生後11日目の仮称「アタチ」鼻が黒くなってきました。


8月28日 生後12日目(木)晴れ 体重 190g 
「アタチ」は、一回に飲む量がグンと増え、美々杏の貧乳では本格的に間にあわなくなってきました。これまで1回足していたミルクを一日2回にしたのですが、今日は夕方なると鼻がズビズビいいだしました。「アタチ」は母乳も、ミルクもですが、吸う力がとても強いため一度のたくさんの量を吸い込んで、飲み込みきれなくて鼻から溢れさせることがあります。子犬用の乳首を使うと最初の一口で鼻から溢れ出すことがありますので、人間の新生児用の強く吸わないと出てこない乳首を使っているのですが、それでもたまに同じ状態になります。この状態を続けているうちにとうとう鼻がズビズビと音を立てるようになってしまいました。誤嚥しているのは間違いありません。せっかく体重が増え始めたのに、不安がよぎります。

8月29日 生後13日目(金)晴れ 体重 210g 
鼻の状態はよくなりません。鼻から気管にかけてズビズビ、ゼロゼロ音を立てます。
「アタチ」はとても苦しそうで、とうとう母乳が飲めなくなってしまいました。鼻はまるで風邪を引いたような状態で、鼻水まで出ます。母乳は鼻が塞がれることが多いためでしょうか、乳首を咥えようともしません。母乳が飲めず、ミルクも飲む量がガクンと落ちました。昨日までの「アタチ」は手に包むとゴム毬のような弾んだ印象だったのに、たった1日で、持った感覚がふにゃふにゃの力のない体になってしまいました。吸う力も明らかに弱っています。病院に連れて行くと、「完全に誤嚥していますね。見なくても音を聞いただけで判る。」と言われました。でもこんな小さい子はレントゲンも撮れないので、肺炎を起こしているかどうかも判らず、手のつけようがない。後はこの子の生命力だけだと言われてしまいました。昨日までは3〜4時間おきでよくなっていた授乳をまた、1時間半から2時間おきに切替えました。母乳はあまり量が出ない上、「アタチ」は息が苦しくて母乳を吸い続けることが出来ず、ほとんど飲めなくなっているので完全にミルクにすることにしました。
2週間、満足に睡眠がとれず、仕事にも復帰しているため、自分の体力と精神力の限界を感じてしまいます。昼は2時間おきに家に戻り(家業だから可能です。)、夜は1時間半から2時間おきに注射器で誤嚥しないようにそっと少しずつ舌に落としてミルクを飲ませますが、1回飲ませ終わるのにたっぷり1時間はかかります。何度目の授乳かわからなくなった深夜、呼吸の苦しそうな「アタチ」にミルクを1滴1滴飲ませていると知らないうちに涙がたくさん出ていました。パパに「かわいそうにこんなに小さいのにこんなに苦しい思いをして・・・。それにもう限界、これ以上無理だと思う・・・。」と弱音を吐きました。パパは「だったら見捨てるのか?」「美々杏に預けて放置して結果を待つのか。」と怒ったようにいいました。私には泣きながら首を横に振ることしか出来ませんでした。この日パパは「アタチ」のハウスの横で一晩中見守り続けていました。

8月30日 生後14日目 (土曜)晴れ 体重 220g 
無理に母乳を含ませることを止めて、1時間半から2時間おきのミルクに切替えたことが効を奏したのか、「アタチ」の体重が増えていました。今日は鼻が詰まりながらも必死で哺乳瓶に吸い付き、ミルクをたくさん飲みました。体重が増え、体力がいくらか回復してきた感じです。でも相変わらず喉の奥がゼロゼロ音を立てます。
そう言えばあちゃ丸が生まれてから数日間、同じように母乳を飲むと鼻がズビズビと鳴っていて、利プリはとても心配したような様子でずっと鼻を舐め続けていたことを思い出しました。母親がつきっきりで面倒を看たせいか、あちゃ丸の症状は2,3日で治まりましたが、「アタチ」はあちゃ丸の時より状態がよくありませんし、母親の美々杏は母乳はあげても鼻を舐めたりはしません・・・。恐らく「アタチ」の症状はゼロゼロと音のする場所から判断して、誤嚥性の気管支炎のような感じなのではないかと思われます。病院で頂いておいた抗生物質を飲ませ、湿度を保つため、「アタチ」のハウス(結局用意したケ―ジは美々杏が1頭で使い、「アタチ」にはダンボ―ルハウスを作りました。)の天井に和紙を張り、水を霧吹きで2〜3時間おきに内側から和紙に向けて吹きかけます。ヒ―タ―の温度を少し上げました。

8月31日 生後15日目 (日曜) 曇り 体重 240g 
明け方から「アタチ」は呼吸が出来なくてもがいていました・・・。昨日は結構ミルクが飲めたので体重は増えていましたが、朝方から午前10時までは鼻が詰まって呼吸が出来ず、哺乳瓶でも注射器を使っても、ミルクを全く飲むことが出来ませんでした。
鼻で息が出来ないので口をパクパク開けて息を吸います。子犬が口呼吸しているなんて・・・・。小さな口吻を手で掴み、鼻を数回吸ってみましたが何も吸い取れません。これまではお腹が空くとキュンキュンと泣くくらいだったのに、ちょっと触っただけで怒ったようにピ―ッと鋭く泣きます。よほど不快で苦しいのだと思います・・・。これは相当拙いのではないか・・・。救急病院に駆け込んだほうがいいのだろうかと悩んでいると、パパは「そんなに悪くなっているとは思えない。鼻汁が固まってきているので白血球が勝ちはじめているんだ。」なんて言いました・・・。白血球でも赤血球でもいいけど、その前に気管や鼻が完全に詰まったらどうするのと言うと、パパはミントを1滴入れた水で沸かした湯をカップに入れ、その蒸気を「アタチ」に吸わせていました・・・。パパの努力の甲斐あってか?午前10時ころになるとようやく症状が治まってミルクを15ccくらい飲み、寝息を立て始めました。こんな状態の中でも今日「アタチ」の目が開きました。開いたばかりの目とは思えないほど大きくて美しい瞳です。「アタチ、美人さんだね・・・。」「うん、ほんとに・・・。」また涙が溢れてしまいました。

目が開いた生後15日目 目が開くとお父さんのマックス君にそっくりです。
呼吸が楽になった午後の写真です。がんばって「アタチ」!!!



9月1日 生後16日目 (月) 曇りのち晴れ 体重 235g 
昨日は明け方から午前10時までミルクを飲めなかったので、昨日の朝より体重が減ってしまいました。でも今日は小康状態を保っています。昨日よりは呼吸が出来て、起こしてミルクを飲むときには鼻がズビズビいいますが、寝ているときには比較的健やかな寝息を立てています。ピ―ピ―泣くこともありません。一進一退が続いています。

9月2日 生後17日目 (火) 快晴 体重 250g
今日は「アタチ」の体重が増えていました。呼吸も楽そうです。仰向けになってムニャムニャしたり、大きなあくびをしたりして、抗生物質が効いたのか大分症状が安定してきた感じです。ミルクはリキッドタイプを昨日からアメリカ製のエスビラックミルクのリキッドタイプに切替えました。アメリカ製のエスビラックミルクは日本製のエスビラックより栄養価がずっと高いそうですが、個体によっては便が軟らかくなったり、下痢っぽくなる子もいるようです。「アタチ」は比較的便秘気味なので、今はオルミラックミルクを抜かして、クリニカルドッグミルク3に対してアメリカ製エスビラックミルクを4の割合で飲ませています。普段は便の状態によってクリニカルドッグミルクとオルミラックミルクとエスビラックミルクの割合を調整し、基本を3:3:3にして、便が軟らかい場合には3:4:3にして、便が堅い場合には3:3:4にすると、「アタチ」の場合は便の状態がよくなるようです。

アメリカ製エスビラックミルク(全部英語で使用方法を読み取るのが大変です。)
(弱っていた赤ちゃんも一晩で元気になったという話もあるくらいの物だそうです。)

9月3日 生後18日目 (水) 晴れのち曇り 体重 275g

生後18日目 顔がはっきりしてきました。(でもちょっと眠いかな?)

アメリカ製エスビラックミルクの御陰でしょうか? 体重が又増え始めました。顔も日に日にはっきりしてきました。まだ目が開いて間もないのでフラッシュを使ったり、良い写真が撮れるまでの撮影はできませんが、実物の「アタチ」はそれはそれは綺麗な赤ちゃんです。(親ばかですみません・・・。)


9月4日 生後19日目 (木) 晴れのち曇り 体重 290g

 

ゆっくりですが、日一日と「アタチ」は成長し、鼻も唇も真っ黒になって、顔立ちがどんどんはっきりしてきます。性格は体が小さくて一人っ子のためでしょうか、あちゃ丸たちの同じくらいのときよりずっとのんびりしています。競争相手がいないと刺激が少なくて発達が遅れるのかもしれません。
カラ―はかなり茶色くなりました。このままいけば、黒い部分はほとんどなくなって、かなり明るいブラウン系のパピちゃんになりそうな感じです。

「アタチ」の状態が安定してきたので、そろそろ次の出産の準備も始めなくてはなりません。利プリの出産は9月の後半を予定していますが、先日エコ―でウィンズも妊娠していることがわかりました。エコ―の結果では交配(突発的事故?)から3週間(21日目)で5頭もの胎児が確認できました・・・。どうやってこの子たちの産床を分けて作ればよいのだろうか? 育児の様々な悩みは当分の間続きそうです・・・。